Linux 版 Thunderbird のインストール
2005-09-04 作成 福島
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Linux 版 Thunderbird のインストール記事はあまり見かけません。
インストールが簡単すぎるせいだと思います。
通常、インストールには管理者権限が必要ですが、今回はそれも不要です。

このままだと Thunderbird を使用している人が少ない印象があるので敢えて記述します。



Thunderbird 1.0.6 (Linux 版) のインストール

1. Thunderbird のインストーラをダウンロード
$ wget http://ftp.mozilla.org/pub/mozilla.org/thunderbird/releases/1.0.6/linux-i686/ja-JP/thunderbird-1.0.6.tar.gz
$ tar xzf thunderbird-1.0.6.tar.gz
2. Thunderbird を実行 (インストーラはありません)
$ ./thunderbird/thunderbird &
3. アカウント、アドレス帳インポートの選択

4. 作成するアカウントの種類を選択
「メールアカウント」を選択、「あなたの名前」「メールアドレス」を記入します。
==>
5. メールを手元に取り寄せるプロトコルの選択と受信サーバを記入
送信サーバが未設定のため、送信サーバも記入します。

6. ユーザ ID を設定
POP3 サーバを利用するための「ユーザ ID」を設定します。
パスワードは接続時に入力するので、ここでの記入はユーザ ID だけです。

7. 「アカウント名」の記入
このアカウント名は、Thunderbird の中での表示名になります。
定義済みのアカウント名と同じでも大丈夫です。

8. 確認
[終了] ボタンを押すと設定は終了しますが、最初だけ既定メールクライアントの質問があります。
==>
9. 設定終了
Thunderbird が使用可能になりました。




IMAP サーバも利用

上記では POP3 の場合を設定しましたが、ここでは IMAP サーバも登録します。

1. Thunderbird を起動
POP3 が設定済みなので「ローカルフォルダ」に「受信トレイ」が見えています。

2. アカウントを作成
アカウントを新規作成するには、
ファイル(F) --> 新規作成(N) --> アカウント(A)
と辿ります。

3. 作成するアカウントの種類を選択
「メールアカウント」を選択します。このあと 「あなたの名前」「メールアドレス」を記入するはずですが、上記 POP3 で設定済みのため記入欄がありません。

4. メールを手元に取り寄せるプロトコルの選択と受信サーバを記入
ここで IMAP を選択します。
送信サーバは、上記 POP3 で設定済みのため、記入欄がありません。

5. ユーザ ID を設定
IMAP サーバを利用するための「ユーザ ID」を設定します。
パスワードは接続時に入力するので、ここでの記入はユーザ ID だけです。

6. 「アカウント名」の記入
このアカウント名は、Thunderbird の中での表示名になります。
定義済みのアカウント名と同じでも大丈夫です。

7. 確認
[終了] ボタンを押すと設定は終了しますが、最初だけ既定メールクライアントの質問があります。
==>
8. アカウント作成完了




IMAP のフォルダを作成

1. 新しいフォルダ作成を選択
フォルダを新規作成するには、
IMAP アカウントのフォルダを右クリックすると現れるメニューにて「新しいフォルダ(N)...」を選択します。
2. フォルダ名の記入
フォルダ名を記入し、[OK] ボタンをクリックします。
3. フォルダ作成完了
フォルダを作成できました。
4. さらにフォルダを作成
上記 1,2 と同じ要領でフォルダを作成します。
5. 出来たフォルダを確認 (dovecot の場合)
# ls -la /home/user/mail/
作成したフォルダが出来ています。(実装はファイルです)
合計 20
drwx------   3 user user 4096  9月  3 18:11 .
drwx------  22 user user 4096  9月  3 11:46 ..
drwx------   9 user user 4096  9月  4 18:00 .imap
-rw-------   1 user user   34  9月  4 18:11 .subscriptions
-rw-------   1 user user    0  9月  4 18:11 Trash
-rw-------   1 user user    0  9月  4 18:11 report-ham
-rw-------   1 user user    0  9月  4 18:11 report-spam
-rw-------   1 user user    0  9月  4 18:10 spam
# cat /home/user/mail/.subscriptions
Trash
spam
report-spam
report-ham


メッセージフィルタの作成

Thunderbird でも、メッセージフィルタを作成できます。

1. メッセージフィルタを選択
ツール(T) --> メッセージフィルタ(F) を選択します。

2. メッセージフィルタリストを確認
メッセージフィルタをまだ定義していないのでリストは空です。
[新規(N)] ボタンをクリックします。

3. メッセージフィルタ「spamdrop」の作成
フィルタ名の記入、条件の記入/選択、動作の選択を行います。

ここでは、フィルタ名に「spamdrop」を記入しています。
条件には X-Spam-Level が文字 * を含む場合に、フォルダ「spam」へ移動することを定義しています。

動作には忘れずにチェックをつけます。

[OK] ボタンをクリックするとフィルタが追加されます。


X-Spam-Level というヘッダは新しく追加したものです。
ドロップダウンメニューの最下部から「追加設定」を選択するとヘッダを追加できます。


4. メッセージフィルタリストを確認
メッセージフィルタ「spamdrop」を追加できました。

このウィンドウからメッセージフィルタを選択して実行することも出来ます。


5. メッセージフィルタの実行 (手動)
メッセージフィルタは自動的に動作しますが、既に取り寄せたメールのために手動でも実行できます。

ツール(T) --> フィルタを実行(R) を選択すると実行できます。


6. メールの移動を確認
実行の結果、フォルダ「spam」にメッセージが移動されました。


7. 残されたメールを確認
フィルタの条件に合致しなかったメールは残っています。