Linux のエディタ (vi, gedit)
〜 vi を使えないあなたにも 〜
2005-08-31 作成 福島
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前置き

Linux のエディタは vi (vim) が一番使いやすく、優れていると私は思います。
なんと言っても OS に標準で付属しているので特別なことが無い限り使うことが出来ます。
vi が使えないような特別なことが起きた場合は、きっと他のエディタも使えないことでしょう。

私の場合、メインにしている PC がノートのせいもあって、ホームポジションから指が離れない操作体系は体に負担がかかりません。

でも、普通のヒトは vi が嫌いです。

「vi も使えないヤツは Unix やる資格が無い」というご意見もあるでしょう。全く以ってそのとおりだと思います。
vi を使ってマゾヒストになれと言ってるんじゃありません。
「プロなら最低限のエディタぐらい使えてこそ」と思うのです。

かく言う私も最初に vi に触ったときは衝撃を受けたものです。
エディタを終了することが出来なかったし、
せっかく作成したファイルを保存することも出来ませんでした。

そんなド級初心者に贈るドキュメントです。
最初はみんなド級初心者なのです。


vi 最低限これだけは

vi は分家がいくつかあって、その操作方法の全てを網羅することは出来ませんが、
「文字を書いて保存・終了する」ことを最低限覚えてください。

vi は「コマンドモード」と「入力モード」が明確に分かれているという特徴があります。
文字編集の流れ: コマンドモード → 入力モード → コマンドモード
vi を起動した直後は「コマンドモード」になっています。
文字を打つには「入力モード」にする必要があります。
打ち終わったら「コマンドモード」に戻る必要があります。
「コマンドモード」→「入力モード」にする文字
カーソルの位置に文字を入れ続ける
行の最後に文字を入れ続ける
改行を入れるには「入力モード」のまま を打ちます。

「入力モード」から「コマンドモード」に戻るには を打ちます。
どちらのモードか分からなくなったときは、とりあえず を打てば「コマンドモード」に戻ってこれます。
「コマンドモード」では、以下の操作ができます。
「コマンドモード」で使える文字/文字列
ファイルの保存 を含む 3 文字の入力
ファイルを保存して vi を終了  〃   4 文字の入力
vi の終了 (ファイルを保存してないと終了できません)  〃   3 文字の入力
vi の終了 (ファイルを保存してなくても終了できます)  〃   4 文字の入力
(←) カーソルを左へ移動1 文字の入力 (小文字)
(↓) カーソルを下へ移動  〃
(↑) カーソルを上へ移動  〃
(→) カーソルを右へ移動  〃
カーソル位置の文字を削除  〃
カーソル行と次の行を連結 (2 行を 1 行にする)1 文字の入力 (大文字)
カーソル行を記憶2 文字の入力 (小文字)
カーソル行を記憶して削除  〃
で記憶した行をカーソル行の次に挿入する1 文字の入力(小文字)
vi の起動は
$ vi ファイル名
です。

他にも沢山コマンド文字がありますが、これだけ知っていればとりあえずファイルを編集することが出来ます。

もしも画面がフリーズしたら
vi を使っている最中に画面が停止してしまったら、それはもしかすると + を打ってしまったのかもしれません。
(Windows では多くの場合「上書き保存」に割り当てられている)
そんな時は、慌てずに + を打ってください。画面が正常に戻ります。

これは vi の機能ではなく、使用している端末ソフトの仕様です。

Gnome の gedit
vi がどうしても苦手という向きは gedit をお使いください。
gedit ならワープロ感覚でファイル編集を行えます。
vi のように覚えにくいキーを操作する必要はありません。

Fedora Core 2 を X を含むインストールを行うとコンソールが GUI (Graphical User Interface) になります。
デフォルトの GUI は Gnome という名前のデスクトップ環境になり、gedit というエディタを使うことが出来ます。





gedit は Gtk (Gimp Tool Kit) というグラフィックライブラリを使うことが前提です。
なので、GUI でしか動作することが出来ません。
gedit でシステムファイルを編集
通常は Gnome のメニューから辿って gedit を起動すると思いますが、
そうするとログインしたユーザの権限で動作してしまい、システムファイルを編集・保存することは出来ません。

これを避けるため、gedit をコンソール (GNOME 端末) の中から起動します。
具体的には、以下のようにします。
$ su
# /usr/bin/gedit ファイル名 &
# exit
$
これで、vi の苦手なあなたでもシステムファイルを編集することが出来ます。

でも、よく考えてみてください。
システムクラッシュが起きたときは、GUI が立ち上がらないかもしれません。
GUI が立ち上がらないほどリソースが制限されても使えるのが vi の最大の長所なのです。